「共働きになってから、お金の話をするとちょっとピリッとする…」「生活費はなんとなく折半してるけど、本当にこれでいいのかモヤモヤする」…そんな気持ちありませんか?
共働きは収入が2つあるぶん、家計管理がうまくハマるととても心強いです。でも、きちんと仕組みを決めておかないと、「どっちが多く払ってるの?」「不公平かも…」といった小さな違和感が、あとからジワジワ効いてしまうことも。
この記事では、共働き夫婦・カップルに向けて、“共通口座×個人口座”というシンプルな仕組みを使った、ちょうどいい家計管理の方法をまとめました。
- 共働き家計でよくあるモヤモヤのパターン
- 共通口座を作るメリット
- 収入差があるときの負担の決め方
- 実際のやり方ステップ
- ボーナスや将来の変化への考え方
「正解」を押しつけるのではなく、ふたりに合う形を一緒に考えるためのヒントとして、ゆるく、やさしく解説していきます🌿
まだ結婚前・同棲中で、「そもそも結婚前にどんなお金の話をしておけばいいの?」という方は、〖お金で揉めたくない二人へ〗結婚前に必ず話しておきたいお金のこと10選の記事もあわせて読んでみてください。
共働き家計でよくある“もやもやポイント”
まずは、共働きだからこそ起こりやすい「お金のもやもや」を整理してみましょう。自分たちに近いものがないか、心の中でチェックしてみてください。
① なんとなく折半しているけど、しんどい人がいる
一番多いのがこのパターンです。
- 家賃・光熱費・食費をきれいに半分ずつ
- 一見フェアだけど、収入差が大きいと片方だけキツい
たとえば、
- Aさんの手取り:25万円
- Bさんの手取り:18万円
- 生活費合計:20万円(10万円ずつ負担)
こうなると、Aさんは「まだ余裕がある」のに対して、Bさんは「自由に使えるお金がかなり少ない…」となりやすくなります。
表面上は「折半」でフェアに見えても、実際の負担感は同じとは限らないんですよね。
② どっちがどれだけ負担しているか、実はよく分からない
- 家賃はAさん、光熱費はBさん
- 食費はそのとき払えるほうが払う
- なんとなく割り勘、なんとなくごちそう
こんな感じで続けていると、「あれ?どっちが多く負担してるんだろう?」と分からなくなりがちです。
ふたりとも気にしないタイプなら問題ありませんが、どちらかが少しモヤっとしていると、それが積み重なってケンカの火種になることも…。
③ 貯金が「ふたりのもの」なのか「どちらかのもの」なのか曖昧
- 結婚前からの貯金
- 結婚後に貯めたお金
- 一緒に使う目的のお金(旅行・家具・子ども関連など)
これらがごちゃっと混ざると、「このお金はどっちの?」「どこまでを共有と考える?」というところでモヤモヤが生まれやすくなります。
こうしたモヤモヤを放置してしまうと、「もっと早く知っておけばよかった…」というお金の失敗につながることもあります。心当たりがある方は、「もっと早く知りたかった」20代でやりがちなお金の失敗6選もチェックしてみてください。
共働き家計の3つのパターン
共働きでよくある家計のパターンは、大きく分けて3つです。
- 完全共有型(お財布をひとつにまとめる)
- 完全別々型(お互いの収入・支出は基本ノータッチ)
- ハイブリッド型(共通口座+個人口座で分ける)
3つのパターン比較表
| パターン | イメージ | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 完全共有型 | ふたりの収入をすべて1つの口座にまとめる |
|
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| 完全別々型 | 生活費の一部だけ折半、他は各自管理 |
|
|
| ハイブリッド型 | 共通口座+個人口座で役割分担 |
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この記事では、いちばんバランスが良く、取り入れやすい「ハイブリッド型」に絞ってくわしく解説していきます。
共通口座×個人口座の基本イメージ
まずはざっくりとしたイメージから掴んでみましょう。
| 口座の種類 | 使いみち | 誰のお金? |
|---|---|---|
| 共通口座 | 家賃、光熱費、食費、日用品、共通の貯金、旅行資金 など | ふたりのお金 |
| 個人口座(Aさん) | 趣味、飲み代、洋服、個人の貯金、お小遣い など | Aさんのお金 |
| 個人口座(Bさん) | 趣味、美容、洋服、個人の貯金、お小遣い など | Bさんのお金 |
基本の考え方は、
- 共通の生活に関わるものは共通口座から
- 自分だけの楽しみ・こだわりは個人口座から
こんなふうに分けておくと、お互いに気兼ねなくお金を使いやすくなります。
共通口座から支払うもの・個人口座から払うもの
共通口座から支払うものの例
- 家賃・住宅ローン
- 電気・ガス・水道
- インターネット回線
- 食費(スーパーでの買い物)
- 日用品(洗剤・トイレットペーパーなど)
- お互いが使う家電・家具
- ふたりの旅行・帰省費用
- 将来のための共通貯金(教育費・マイホーム資金など)
個人口座から支払うものの例
- 自分だけの洋服・美容・コスメ
- 自分の趣味(ゲーム、推し活、ガジェットなど)
- 自分のスマホ代(共通にしてもOK)
- 友達との飲み会・ランチ
- 親へのプレゼント、お小遣い
- 自分名義の投資・貯金
ここはふたりの価値観次第なので、「これは共通で出したいね」「これはそれぞれでいいよね」と、話しながら決めていくのがおすすめです。
お金の負担、どう決める?3つのパターン
次に、「共通口座にいくら入れるか」「どっちがいくら負担するか」を決めていきます。
主な考え方は、次の3つです。
- 完全折半スタイル
- 収入に応じて割合で分けるスタイル
- 項目別に担当を決めるスタイル
① 完全折半スタイル
共通口座に、毎月同じ金額を入れるパターンです。
向いているケース
- ふたりの収入がそこまで大きく変わらない
- どちらも「きっちり半分こ」が心地よい
ただし、収入差が大きいと「一方だけ負担感が大きい」状態になりやすいので、その場合は次の②がおすすめです。
② 収入に応じて割合で分けるスタイル
ふたりの手取り収入に応じて、「Aさん6:Bさん4」「Aさん7:Bさん3」などの割合を決めて負担する方法です。
いちばん現実的で、長く続けやすい方法でもあります。
例:世帯手取り35万円の場合
- Aさんの手取り:20万円
- Bさんの手取り:15万円
- 生活費(共通で使うお金)の合計:18万円
収入比率は、Aさん 約57%、Bさん 約43%。
ざっくり6:4として計算すると、
- Aさんの負担:18万円 × 0.6 = 10万8,000円
- Bさんの負担:18万円 × 0.4 = 7万2,000円
キリのいい数字にしたい場合は、
- Aさん:11万円
- Bさん:7万円
など、ふたりで話し合って微調整してOKです。
③ 項目別に担当を決めるスタイル
- Aさん:家賃・ネット・一部の固定費
- Bさん:光熱費・食費・日用品
というように、「誰がどの項目を払うか」を分ける方法です。
共通口座を作らずにやると「どっちの負担が重いんだっけ?」となりやすいですが、共通口座を作っておきつつ、引き落としの担当だけ分ける、といったハイブリッドも可能です。
どの分担方法を選ぶにしても、「いつ・どんなタイミングで見直すか」をセットで決めておくと安心です。結婚前からの流れも含めて確認したい方は、結婚前に必ず話しておきたいお金のこと10選でチェックリストを見ながら整理してみてください。
ステップで解説|共通口座の作り方と運用の流れ
ここからは、実際の流れをステップ形式でまとめます。
一気にやらなくても大丈夫。ふたりのペースで少しずつ整えていきましょう。
STEP1:毎月の「共通で使うお金」を洗い出す
まずは、ノートやメモアプリを開いて、生活にかかる費用をざっくり書き出してみます。
- 家賃:__円
- 電気:__円(平均)
- ガス:__円(平均)
- 水道:__円(2ヶ月で換算)
- ネット:__円
- 食費:__円くらい
- 日用品:__円くらい
- 共通のサブスク:__円
- 共通の貯金:月__円
すべて合計したものが、「共通口座に必要な毎月の金額」になります。
STEP2:お互いの手取り収入を確認する
- 毎月の手取りはいくらくらいか
- ボーナスがあるかどうか
- 残業などで変動があるか
これをざっくり共有します。
「大体でいいよ」と言いつつ、本当に大体すぎるとモヤモヤの原因になるので、口座の入金額ベースで見ておくと安心です。
STEP3:共通口座への毎月の入金額を決める
STEP1と2をもとに、
- 折半で行くのか
- 収入比で分けるのか
を話し合って決めます。
ここで大切なのは、「どちらか片方が無理をしていないか」を確認すること。
- 生活費を負担した後、各自いくら自由に使えるのか
- 個人の貯金や趣味に回せるお金はちゃんと残っているか
をそれぞれ確認してみてください。
STEP4:共通口座を新しく作る or 既存の口座を共通用にする
銀行口座は、
- ネット銀行(楽天銀行・住信SBIネット銀行など)
- ふたりが使いやすいメガバンク・地方銀行
のどれでもOKです。
「ふたりとも残高が見やすい」「引き落とし口座に設定しやすい」を基準に選ぶと、管理がラクになります。
STEP5:給料日あとに自動振替設定をする
毎月手動で振り込むのは、シンプルに面倒です。
できれば、給料日〜数日後あたりに、自動で共通口座へ振替されるように設定してしまいましょう。
たとえば、
- Aさん:毎月27日に8万円を共通口座へ
- Bさん:毎月28日に6万円を共通口座へ
というイメージです。
共通口座への振替が自動化できたら、次は「貯金も自動で貯まる仕組み」にしておくとさらにラクになります。先取り貯金や固定費見直しの具体例は、無理せず年間20万円貯まる!今日からできる節約術11選でくわしく紹介しています。
STEP6:共通口座から引き落とし・支払い設定をまとめる
最後に、共通の支出はできるだけ共通口座から出ていくように整えます。
- 家賃の引き落とし口座を共通口座に
- 光熱費・ネットの引き落としも共通口座に
- スーパーでの買い物は共通口座のカード or キャッシュレスで支払い
こうしておくと、「共通の生活費がいくらかかっているのか」が一目で分かるようになります。
具体例|収入差がある共働き夫婦のケース
前提条件
- Aさん:手取り24万円
- Bさん:手取り18万円
- 子どもなし・賃貸2人暮らし
共通の生活費
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 家賃 | 100,000円 |
| 光熱費(電気・ガス・水道) | 18,000円 |
| ネット | 5,000円 |
| 食費 | 45,000円 |
| 日用品 | 7,000円 |
| 共通サブスク | 5,000円 |
| 共通貯金 | 30,000円 |
| 合計 | 210,000円 |
毎月21万円を共通口座に用意する必要があります。
収入比での負担
Aさん:24万円(約57%)
Bさん:18万円(約43%)
収入の割合をもとに、目安としては、
- Aさん:21万円 × 0.57 ≒ 12万円
- Bさん:21万円 × 0.43 ≒ 9万円
キリが良いように、
| Aさん | Bさん | |
|---|---|---|
| 手取り収入 | 240,000円 | 180,000円 |
| 共通口座へ入れる額 | 120,000円 | 90,000円 |
| 残り(個人で自由に使えるお金) | 120,000円 | 90,000円 |
これなら、収入差がある程度反映されつつ、ふたりとも「自分のお金」として使える部分がしっかり残るバランスになっています。
Q&A:こんなときはどうする?
共働きの場合、「ボーナスをどう扱うか」もよく出てくるテーマです。考え方の例としては、こんなパターンがあります。
・ボーナスの◯%を共通口座、残りは各自の自由
・ボーナスは全額共通口座に入れて、旅行や大きな買い物に使う
・ボーナスは基本それぞれのもの。大きな支出のとき
正解はありませんが、「将来の大きなイベント(住宅・出産・教育など)をどれくらい一緒に考えているか」で決めると、しっくりきやすくなります。
共通口座と生活防衛資金が整ってきたら、余裕資金の一部を「資産づくり」に回すのも選択肢です。つみたて投資を検討している方は、オルカンとS&P500の違いを徹底解説の記事で、代表的な投資先の特徴もチェックしてみてください。
共働きの形は、ずっと同じとは限りません。転職・妊娠・出産・育休・病気・親の介護…いろいろな事情で、片方の収入が減ったり、働き方が変わったりすることがあります。
そんなときに大切なのは、「ルールを固定化しすぎない」ことです。
・育休中は収入差が大きくなるから、負担割合を一時的に見直す
・片方の昇給が続いたら、共通貯金の額を少し増やす
・どちらかがフリーランスになったら、半年くらい様子を見てから調整する
というように、定期的に“アップデートしていく前提”でルールを作っておくと、長く付き合いやすくなります。
喧嘩になりにくい「お金の話し方」のコツ
最後に少しだけ、話し合いのときに役立つコツも添えておきます。
① 「責める」ではなく「共有する」を目的にする
「あなたが〇〇してくれないから」ではなく、「こうできたらお互いラクかも」「どう思う?」というスタンスで話すと、雰囲気が柔らかくなります。
② “数字”を味方につける
感情だけで話すより、「今はこういう収入で、生活費がこれくらいかかっていて…」と、
数字を書きながら話すほうが冷静になりやすいです。
③ 完璧なルールを目指さない
最初から完璧な家計ルールを作ろうとすると、疲れてしまいます。「まずは3ヶ月試してみて、合わなかったら変えよう」くらいのライトな気持ちでスタートして大丈夫です。
まとめ|“ちょうどいい分け方”はふたりで作っていくもの
共働きの家計管理に、絶対的な正解はありません。収入、価値観、将来のイメージ…。
ふたりの組み合わせによって、ちょうどいい形は少しずつ違います。
大事なのは、
- 「共通のお金」と「自分のお金」を分けて考えられること
- どちらかだけがガマンしたり、負担しすぎたりしないこと
- 変化があったら、そのつどアップデートしていけること
そのためのツールとして、共通口座×個人口座という仕組みを、ふたりなりに育てていってもらえたらうれしいです。
「なんとなく」で続けてきたお金のやりくりを、少しだけ言葉にして、少しだけ見える化してみる。
それだけでも、ふたりの家計はぐっと優しく、軽やかなものになっていきます。
あせらず、ゆっくり。
ふたりにとって心地よい“ちょうどいい分け方”を、一緒に見つけていきましょう🌿
共働き家計の整え方は、今回ご紹介した「共通口座×個人口座」以外にもいろいろな工夫があります。ほかの家計管理のアイデアも知りたい方は、家計管理カテゴリーの一覧から、気になるテーマをチェックしてみてください。









