新NISAって聞くと「上限まで使った方が得?」みたいな話が先に出がちなんですけど、共働き二人暮らしだと、私はそれより“生活がきつくならない金額”を先に決めた方がうまくいくと思っています。投資は続けてナンボなので、途中で苦しくなってやめるのが一番もったいないんですよね。
この記事は、上限を目指すための根性論じゃなくて、生活防衛費(現金の貯金)と毎月の家計の余白から、納得して積立額を決めるための内容です。二人暮らし・共働きの“現実”に寄せて書きます。
読む前に1分だけ|今日やることチェック
まだ積立額を決めなくてOKなので、判断材料だけ集めましょう。ここが揃うと、迷いが一気に減ります。
- 手取り(月収ベース)を確認する(ボーナスは一旦抜きでOK)
- 直近1ヶ月の支出をざっくり見る(家賃・食費・光熱費・通信費だけでもOK)
- 現金貯金が「生活費の何ヶ月分」かだけメモする
家計がごちゃついていて数字を見るのがしんどい人は、先に固定費から整えると早いです。
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お金の管理で揉めやすいなら、口座の仕組み化がラクになります。
共働き夫婦の家計管理は「共通口座×個人口座」でラクになる
※積立額はあとで変えられます。最初から完璧に決めなくても大丈夫ですよ。
「新NISA(つみたてNISA)についてまだ何もわからないなー」って人はまず下の記事をチェックしてみてください。
新NISAの積立額は「上限」より「生活」を優先でOK
新NISAは非課税で運用できるのが強みですが、非課税だからといって毎月の生活が苦しくなるほど入れるのは本末転倒です。共働き二人暮らしって、日々の満足度も大事だし、突然の出費(家電の買い替え、病院、冠婚葬祭)もわりと現実に起きますよね。
だから私は、積立額を決めるときに「枠を埋める」より“生活の安心を残す”を優先します。結果的にその方が続くし、続く人がいちばん強いです。
先に確認:新NISAの枠はこうなってる
細かい制度説明は長くしません。積立額を考えるうえで必要なポイントだけ押さえます。新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の2つがあり、年間の投資枠と生涯の非課税枠が決まっています(制度の詳細は公式情報で確認が安心です)。
年間の上限と、月換算の目安
積立額の目安を作るために、ざっくり月に直すとイメージしやすいです。ここは「できる/できない」じゃなく、距離感を掴むための表として見てください。
| 枠 | 年間の上限 | 月換算の目安 | こういう人が使いやすい |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 10万円/月 | 毎月コツコツを軸にしたい |
| 成長投資枠 | 240万円 | 20万円/月 | 積立+必要に応じて追加したい |
| 合計 | 360万円 | 30万円/月 | 余力が大きい(ただし無理は禁物) |
この「月30万円」という数字だけ見るとビビる人も多いと思います。私も正直、最初は「え、そんなに?」ってなりました。だからこそ、上限を基準にしないで、生活の余白から決めるのが現実的です。
売却すると枠が“復活”するってどういうこと?
新NISAは、買った商品を売ると、その商品の取得金額(簿価)分の非課税枠が翌年以降に再利用できる仕組みがあります。これ、地味に安心材料で、「一度入れたら一生動かせない」わけではないんですよね(※年間投資枠がその年に増えるわけではない点は注意です)。
積立額を迷う人ほど、「減ったらどうしよう」「やめたくなったらどうしよう」って不安が出やすいので、この仕組みを知っておくと気持ちが少し軽くなります。
無理のない積立額の決め方(共働き二人暮らし向け3ステップ)
ここからが本題です。積立額はセンスより順番で決まると思っていて、二人暮らし・共働きなら、押さえるべきポイントは3つに整理できます。私は月収ベースで考えて、ボーナスは入れない派です(後半で理由も書きます)。
ステップ1:家計の“固定費”をざっくり掴む
積立額を決める前に、支出を細かく家計簿にする必要はありません。共働きで忙しいと、そこが一番つまづくので。まずは固定費だけでOKです。家賃、光熱費、通信費、保険、サブスク。ここを見れば「毎月絶対に出ていくお金」が見えるので、投資に回せる上限が掴めます。
通信費の見直しも固定費に効きやすいので、節約の即効性が欲しい人はここから触るのもアリです。
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ステップ2:生活防衛費の目標を決める
投資は元本保証じゃないので、現金が薄い状態で突っ込むと不安が強くなって続きにくいです。二人暮らしだと、目安としては生活費の3〜6ヶ月分あたりを目標にする人が多い印象があります。働き方が安定しているなら3ヶ月寄り、転職予定や収入の波があるなら6ヶ月寄り、みたいに調整すると現実的です。
ステップ3:月収ベースで「増やせる上限」を決める
ここがいちばん大事です。私は「月収(手取り)ベースで考えて、ボーナスは加味しない」をルールにしています。理由は単純で、毎月の生活を崩さないためです。ボーナスを前提にすると、普段の積立が強気になって、日常のキャッシュが痩せたときに苦しくなるんですよね。
毎月の余白から積立を決めて、現金貯金が増えてきたら、収入を超えない範囲で少しずつ増やす。これが一番ストレスが少ないやり方だと思います。
| 現金貯金の状態 | おすすめの投資割合(目安) | 積立額の決め方 | イメージ |
|---|---|---|---|
| 生活費0〜2ヶ月分 | 0〜5% | まずは現金を厚く。積立は「続く最小」 | 1,000円〜1万円 |
| 生活費3ヶ月分 | 5〜15% | 家計が崩れない範囲で積立を作る | 1万円〜3万円 |
| 生活費6ヶ月分以上 | 15〜25%(人による) | 余白の中で段階的に増やす | 3万円〜10万円 |
| 現金に余裕+家計が安定 | 20〜30%も視野 | 無理のない上限を決めて、増額ルールを作る | 5万円〜(世帯状況次第) |
ここまででOK|積立額を“決め切る”前のチェック
迷ってる人ほど、いきなり金額を確定しようとして疲れます。今日は「上限の当たり」を作るだけで十分です。
- 生活防衛費の目標(月の生活費×3 or ×6)を決める
- 積立は「最小額」と「現実的な上限額」の2つを書き出す
- 増額は“3ヶ月後に見直す”と予定だけ入れておく
固定費を削れると、積立の余白が自然に増えます。家計の土台を整えるなら、この記事が効きます。
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※積立額は後から調整できます。今日決めるのは“方向性”だけでOKですよ。
例でわかる:二人暮らしの積立額シミュレーション
数字があると決めやすいので、ざっくりの家計モデルで考えてみます。例えば、手取り合計40万円の共働き二人暮らしで、家賃5.5万円、食費3万円、光熱費2万円、通信費7,000円、日用品8,000円、保険1万円、交通・車関連1万円、趣味・交際費1万円…みたいなイメージです。細部は家庭で違いますが、「固定費+生活費の骨格」を掴めればOKです。
ケースA:まだ現金が心配な時期
現金貯金がまだ薄いときは、積立額を上げるより先に、生活防衛費を作る方が安心です。たとえば生活費が月20万円だとしたら、まずは60万円(3ヶ月分)を目標にするだけでも、心の余裕が全然違います。
この時期の積立は、私は月5,000円〜1万円でも十分だと思っています。投資に慣れる、相場の上下に慣れる、手続きに慣れる。これだけでも価値があります。
ケースB:現金が貯まってきたら(投資1/4の考え方)
現金貯金が生活費の6ヶ月分くらいになってきたら、投資割合を上げやすくなります。私は現在収入の約1/4を投資に回しています。理由は家計が安定している+生活防衛資金も十分確保できているからです。
ただし、ここで大事なのは“いきなり1/4にしない”こと。例えば、今が月3万円なら、月4万円→月5万円みたいに、毎月の収入を超えない範囲で段階的に増やす方が失敗しにくいです。生活が苦しくなって投資を嫌いになるのが一番もったいないので、増額はゆっくりでOKです。
積立額を増やすタイミング(失敗しにくいルール)
積立額を増やすときって、実は「いくら増やすか」より「どう増やすか」の方が大事です。共働きだと忙しくて、気づいたら増額して固定費とぶつかる…みたいな事故が起きがちなので、ルールを決めると楽になります。
増額は「金額」より「手順」が大事
私がやっているおすすめルールはシンプルで、3ヶ月ごとに家計を見て、増やせるなら5,000円〜1万円だけ増やすです。3ヶ月続けて家計が苦しくなってないなら、その積立額は“生活に馴染んだ”可能性が高いからです。
増額して不安が強くなるなら、増やしすぎのサインかもしれません。投資はメンタルの消耗が少ないほど続くので、私はそこも含めて「無理がない」を判断しています。
ボーナスをどう扱うか問題(私は入れない派)
ボーナスを全部投資に回すのが悪いわけじゃないです。ただ、積立額(毎月の定額)にボーナスを混ぜると、普段のキャッシュが薄くなって苦しくなりがちです。なので私は、積立額は月収ベースで決めて、ボーナスは生活防衛費の補強や家の大きな支出(家電・旅行・引っ越し)に回して、残ったら“追加投資”くらいが安心だと思っています。
よくあるつまずきと回避策(体験談ベース)
ここは少しだけ個人的な話も入れます。私がNISAを始めたのは、YouTubeで学び始めたのがきっかけでした。銀行に預けても増えないし、将来の不安もあって「投資信託なら専門家に運用を任せられる」と思って行動したんですが、最初は口座開設が思ったより時間がかかって、タイミング的にその年に買えなかったことがありました。
今振り返ると「あと1〜2ヶ月早く動いてたら…」って普通に思います。だから、積立額を完璧に決めてから始めるより、小さく始めて、あとから整える方が結果的にうまくいくことが多いです。
生活が苦しくなって“やめたくなる”
これが一番の落とし穴です。投資の成績が良くても、生活が苦しいと続きません。私も最初は「増やしたい気持ち」が先に来て、日常の余裕を削りそうになったことがあります。そこでルールを作って、半分は攻め(S&P500など)、半分は守り(債券寄りなど)みたいにバランスを取るようにしました。
もちろん配分は人それぞれですが、「自分の性格に合う形」を作るのは大事です。増えても減っても放置できる仕組みにすると、共働きでも継続しやすくなります。
今日からできる小さな一歩/中長期で効く一歩
今日からできる小さな一歩は、積立額をいきなり大きくすることじゃありません。家計の余白を確認して、積立を自動化することです。自動化できると、忙しくても勝手に続きます。
中長期で効く一歩は、積立額を“気分”で増やさない仕組みを作ることです。例えば「現金貯金が生活費6ヶ月分を超えたら、積立を+5,000円する」みたいに、条件で決めるとブレにくいです。
節約もセットで進めたいなら、生活に負担をかけずに貯まる仕組みを作るのが近道です。
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迷いが残る人へ|“増額ルール”だけ決めて終わろう
積立額って、決めるより「続く形にする」方が大事です。最後にルールだけ作って、あとは生活しながら調整でOKです。
- 増額は3ヶ月に一度だけ見直す(毎月いじらない)
- 増やすなら5,000円〜1万円まで(急に跳ね上げない)
- 生活防衛費が目標を切ったら、増額は一旦ストップ
家計の全体像が整うと、投資額も自然に決まります。基礎から整えたい人はこの2本が相性いいです。
共働き二人暮らしの固定費見直し術(順番つき)
共通口座×個人口座で家計管理をラクにする方法
※「半年だけ試す」くらいの気持ちでも大丈夫です。続けばちゃんと力になります。
まとめ:新NISAの積立額は「続く金額」が正解
新NISAの積立額は、上限から逆算すると苦しくなりやすいので、共働き二人暮らしなら生活防衛費と家計の余白から決めるのが現実的です。月収ベースで積立を作り、ボーナスは加味しない(または別枠で扱う)にすると、日常が崩れにくくなります。
私のように「収入の約1/4を投資に回す」という考え方も、現金がある程度貯まっていて、家計が安定しているなら十分アリです。ただ、増やすなら段階的に。増額はルールで決める。これだけで、投資が“生活の味方”になりやすいと思います。
最後にもう一度だけ。新NISAの積立額の決め方は、結局自分たちの生活に合うかどうかです。無理のない金額で始めて、続けながら整えていきましょう。









