結婚が決まると、指輪や式場、ドレス選びで頭がいっぱいになりがちですよね。
ただ、そのワクワクの裏で、
- 「相手の貯金って、実際いくらあるんだろう…?」
- 「借金やローンがあったらどうしよう」
- 「共働きの生活費って、どう分けるのが普通なの?」
と、なんとなくモヤモヤしている人も多いはず。
実は、お金の話をするのは「ケチだから」でも「疑っているから」でもなく、これからの生活を一緒に守るための準備です。
この記事では、
「結婚前に話しておきたい10のこと」
について、リアルな声を交えながら、話し合いのポイントをわかりやすくまとめました。
最後には、二人でそのまま使えるチェックリストも用意しています。
「お金の話をすると雰囲気が悪くなりそう…」と感じているカップルこそ、やさしく・ていねいに一緒に確認してみてくださいね。
- 結婚前に「お金の話」をしておくべき理由
- 【図解】結婚前のお金の話し合い・3ステップ
- 結婚前に話しておきたい10のこと【一覧表】
- ① 現在の貯金額|額そのものより「隠しごとをしない」が大事
- ② 借金・ローンの有無|「理由」と「返済の見通し」までセットで
- ③ 固定費の管理方法|まず「家計の土台」を一緒に見る
- ④ 共通口座を作るかどうか|「入れる額」と「何に使うか」を明確に
- ⑤ 結婚後の働き方|「いつまで」「どんな働き方をしたいか」を共有
- ⑥ 生活費の分担方法|「今」だけでなく「これから」も見据える
- ⑦ 毎月の貯金計画|“余ったら貯金”ではなく、“先に貯金”
- ⑧ 保険の見直し|「なんとなく入った保険」を棚卸し
- ⑨ 税金・ふるさと納税のこと|ざっくりでも“仕組み”を共有
- ⑩ 大きな出費のルールづくり|「いくら以上なら相談?」を決めておく
- 話し合いをスムーズにする3つのコツ
- 結婚前お金のチェックリスト【二人で使えるシート】
- まとめ|お金の話は「愛が冷めた証拠」じゃなくて、「これから」の準備
結婚前に「お金の話」をしておくべき理由
1. あとから知ると、金額以上に「信頼」が傷つく
結婚後になってから、相手の借金やお金の事情を初めて知ってショックを受けるケースは少なくありません。
多くの夫婦トラブルで出てくるのは、
- 「どうして隠していたの?」
- 「一緒に考える前に、勝手に決めてしまったんだ…」
といった気持ちの部分のすれ違いです。金額そのものより、「言ってくれなかった」ことが心に残りやすいんですね。
2. ルールがないと、「なんとなく」で続いて後から破綻する
結婚当初はノリと勢いで何とか回っていても、
- 転職や収入ダウン
- 妊娠・出産
- 引っ越しやマイホーム購入
などのタイミングで、急に家計が苦しくなることも。
最初にざっくりとでもルールを決めておくと、後からの話し合いがグッとラクになります。
【図解】結婚前のお金の話し合い・3ステップ
ステップ1:現状を共有する (貯金額・借金・固定費・働き方など) ↓(見える化) ステップ2:ルールを決める (生活費の分担・共通口座・貯金額・大きな出費の相談ライン) ↓(半年〜1年やってみる) ステップ3:定期的にアップデート (転職・出産・引っ越しなどイベントごとに見直し)
一度で完璧なルールを作る必要はありません。
「まずはこのルールで半年やってみる → 必要なら見直す」くらいの気持ちでOKです。
結婚前に話しておきたい10のこと【一覧表】
| No. | テーマ | ここで決めたいことの例 |
|---|---|---|
| ① | 現在の貯金額 | 個人/二人で使うお金の区分、結婚資金にいくら出せるか |
| ② | 借金・ローンの有無 | 金額・理由・返済計画、結婚後の返済ルール |
| ③ | 固定費の管理方法 | 家賃・スマホ・保険などを誰がどの口座から払うか |
| ④ | 共通口座を作るかどうか | 作る/作らない、入金額、使い道のルール |
| ⑤ | 結婚後の働き方 | 正社員・パート・専業の希望、収入の見通し |
| ⑥ | 生活費の分担方法 | 収入比例/折半/項目別など、将来の見直し条件 |
| ⑦ | 毎月の貯金計画 | 毎月いくら・ボーナスいくら、目的別の優先順位 |
| ⑧ | 保険の見直し | 現在入っている保険の洗い出し、必要・不要の整理 |
| ⑨ | 税金・ふるさと納税のこと | 誰の名義でいくらまでするか、ざっくり仕組みの共有 |
| ⑩ | 大きな出費のルールづくり | いくら以上は相談? 旅行・車・家電など特別費の方針 |
① 現在の貯金額|額そのものより「隠しごとをしない」が大事
話し合いのポイント
- 個人の貯金額と、結婚資金として出せる金額を分けて考える
- 「少なくて申し訳ない」「多すぎて言いづらい」など、感情もセットで共有する
- 将来のイベント(出産・車・旅行・マイホームなど)への不安も話しておく
実際の声①:思ったより少なくてドキッ…でも「これから」の話ができた
「正直、相手の貯金額を聞いて『えっ、そんなに少ないの?』と思いました。でも、そこから『じゃあ、結婚後は毎月いくらなら貯金していけそう?』と具体的な話になって、気持ちは逆に落ち着きました。」
実際の声②:多めに貯めていたけど、言わなかった理由を話した
「かなり前からコツコツ貯金していたけれど、相手に引かれるかな…と思って詳しくは言っていませんでした。話してみたら『頼もしい』と言われて拍子抜け。むしろ隠していたことの方がモヤモヤの原因だったと気づきました。」
「多い」「少ない」よりも大事なのは、きちんと共有して一緒にプランを立てられることです。
② 借金・ローンの有無|「理由」と「返済の見通し」までセットで
話し合いのポイント
- クレジットのリボ払い、カードローン、奨学金、車のローンなどを一覧化する
- 「いくらあるか」だけでなく、「何のために借りたか」「あと何年で終わるか」も共有
- 結婚後は新たな借金をどうするか(原則NGにするなど)方針を決めておく
実際の声①:カードローンを結婚前に打ち明けて、完済まで二人三脚
「独身時代の浪費でカードローンが残っていました。怖かったけれど結婚前に打ち明けて、返済明細を毎月共有すること・新しい借り入れはしないことを約束。数年かかったけれど、一緒に完済できました。」
実際の声②:「結婚したら一緒に返せばいいじゃん」で一気に冷めた
「ギャンブルの借金を『結婚したら二人で返せば平気だよ』と軽く言われて、価値観のズレを感じてしまい、お別れしました。借金の額より、借り入れに対する考え方が合うかどうかが大事だと思いました。」
③ 固定費の管理方法|まず「家計の土台」を一緒に見る
話し合いのポイント
- 家賃・駐車場・水道光熱費・通信費・サブスク・保険など、毎月ほぼ同じ額が出ていくものを書き出す
- 誰の口座から引き落とすか、支払い忘れをどう防ぐかを決める
- 収入が変わったときは、一番先に固定費を見直すと決めておく
実際の声①:固定費を一緒に見直して、毎月3万円浮いた
「スマホを格安SIMに変えて、不要なサブスクと過剰な保険を解約したら、夫婦で月3万円くらい浮きました。その分を子どもの教育費と旅行積立に回せるようになって、気持ちにも余裕が出ました。」
実際の声②:固定費をそのままにして、じわじわ赤字に
「ボーナスカットのあとも家賃や車のローンはそのままで、じわじわ赤字に。結婚当初にまとめ買いした家電の故障も重なり、貯金を崩すばかりで不安になりました。もっと早く固定費を見直しておけばよかったです。」
④ 共通口座を作るかどうか|「入れる額」と「何に使うか」を明確に
話し合いのポイント
- 共通口座を作る場合は、
- どの銀行にするか
- 毎月いくら入れるか(収入比例 or 折半)
- 何の支払いに使うか(生活費・家賃・共通の貯金など)
- 共通口座を作らない場合も、家計簿アプリ共有など、どこまで見せ合うかを決める
実際の声①:共通口座に「生活費+共通貯金」を集約してスッキリ
「共通口座に給料の一定割合を入れて、家賃・光熱費・食費・共通の貯金はそこから全部出すようにしました。余った分は、各自のおこづかいと自分名義の貯金に。管理がシンプルになって、家計簿を見るのも楽になりました。」
実際の声②:別財布+共通口座少額運用で“お試しスタート”
「いきなり全額を共通にするのはこわかったので、最初は家賃と食費だけ共通口座から出して、他は別財布。1年やってみて問題なさそうだったので、徐々に共通の割合を増やしました。」
⑤ 結婚後の働き方|「いつまで」「どんな働き方をしたいか」を共有
話し合いのポイント
- それぞれの希望(正社員・時短・パート・専業主婦(夫)・フリーランスなど)を確認
- 出産後どうしたいか、転勤の可能性、実家のサポート状況も含めて話す
- 働き方が変わったときの収入の変化と家計への影響をざっくりシミュレーション
実際の声①:正社員→パートで、「貯金が増えない…」と悩んだ
「結婚を機に正社員をやめてパートになったら、固定費を払うだけで精一杯に。『もっと節約しなきゃ』と自分を責めていましたが、夫と家計を全部見直したら、『収入が変わったのに家計の形を変えていなかっただけ』だと気づきました。」
実際の声②:専業主婦の大変さを、夫が“1日ワンオペ”で実感
「私が仕事に復帰予定だったので、夫に1日育児と家事をお願いしたところ、『これはフルタイムの仕事だ…』と実感してくれたようで、その日以来、家事育児の分担がかなり変わりました。」
⑥ 生活費の分担方法|「今」だけでなく「これから」も見据える
話し合いのポイント
- 分担パターンの代表例
- 完全折半
- 収入比例(手取りに応じて%で負担)
- 項目別分担(家賃はAさん、食費はBさん…など)
- 出産・転職・失業などライフイベントがあったら必ず見直すと約束しておく
実際の声①:「ずっと折半」の約束が、育休中にしんどくなった
「結婚前は『生活費はずっと折半ね』と約束していました。でも育休中もそのルールのままで、収入も時間も減っているのに負担は同じ。『約束したよね』と言われるたび、悲しくなってしまいました。」
実際の声②:項目別分担はラクだけど、“全体の家計”が見えにくい
「家賃は夫・食費と日用品は私・その他はその場で割り勘、という形です。普段はケンカにならないけれど、『この家全体でいくら貯金できているんだろう?』とふと不安になることがあります。」
⑦ 毎月の貯金計画|“余ったら貯金”ではなく、“先に貯金”
話し合いのポイント
- 「毎月いくら貯めるか」を先に決めて、自動積立や別口座で先取り貯金する
- 貯金の目的を分ける
- 生活防衛資金(生活費3〜6か月分)
- 旅行・家電・車などのイベント用
- 将来の教育費・老後資金
- ボーナスの使い方も、「何割を貯金・何割を楽しむか」ざっくり決める
実際の声①:先取りで“年100万円貯金”を達成
「給料日に自動で5万円を貯金用口座に移す設定にしたら、ムリなく年間100万円以上の貯金ができました。『貯金してから使う』に変えただけで、ストレスは意外と少なかったです。」
実際の声②:特別な出費のたびに、貯金がゼロに戻る問題
「毎月それなりに貯金しているのに、家電の買い替えや冠婚葬祭があるたびに一気に減って、『またゼロからか…』と落ち込んでいました。貯金の中に“特別費”用の枠を作ったら、メンタルがかなり楽になりました。」
⑧ 保険の見直し|「なんとなく入った保険」を棚卸し
話し合いのポイント
- 現在入っている保険(生命・医療・がん・学資など)を全部書き出す
- 加入時期と理由を確認し、「今の家族構成・貯金額」に合っているかチェック
- 更新型で将来保険料が上がるものは、見直し候補にする
実際の声①:新卒のときの保険をそのまま→夫婦で整理してスッキリ
「何となく入ったままの保険がいくつもあって、内容もよくわかっていませんでした。夫婦で一覧にして、本当に必要な保障だけ残して乗り換えたら、毎月の保険料が下がって家計も気持ちもスッキリしました。」
実際の声②:「とりあえず不安だから」保険だらけだった
「結婚後すぐに不安になって、がん保険や医療保険を重ねがけしていました。冷静に見直してみると、貯金と公的保険でカバーできる部分も多く、保険料を払いすぎていた自覚が…。話し合いのきっかけになってよかったです。」
⑨ 税金・ふるさと納税のこと|ざっくりでも“仕組み”を共有
話し合いのポイント
- ふるさと納税は、自己負担2,000円で返礼品+税控除が受けられる仕組みだとざっくり理解する
- 共働きなら、それぞれの名義で上限まで寄付できる可能性がある
- 医療費控除・生命保険料控除なども、「どちらの名義で申告するとお得か」軽く確認しておく
実際の声①:ふるさと納税したのに、得している実感がない…
「サイトで表示された上限額の通りに寄付したのに、実際に税金がどのくらい減ったのか分からず、『本当にお得なのかな?』とモヤモヤしていました。控除が翌年の住民税などに反映されると知って、ようやくスッキリしました。」
実際の声②:夫婦で“ふるさと納税選び”をイベント化
「結婚してから初めてのふるさと納税は、二人でカタログを見ながら、『災害支援を優先しよう』『日用品や防災グッズもいいね』と話しながら決めました。お得さだけでなく、『どんな地域を応援したいか』を話す良いきっかけになりました。」
⑩ 大きな出費のルールづくり|「いくら以上なら相談?」を決めておく
話し合いのポイント
- 旅行・家電・車・趣味の高額グッズなど、「まとまったお金が動く場面」をリストアップ
- 「○万円以上の買い物は必ず相談」など、相談ラインを決めておく
- 共通の貯金から出すもの・各自の貯金から出すものをざっくり分けておく
実際の声①:“5万円以上は必ず相談”でトラブル減
「家電や趣味のものも含めて、『5万円以上の買い物は必ず事前相談』と決めました。お互い、相談して却下されたこともありますが(笑)、後から明細を見てビックリすることがなくなりました。」
実際の声②:こっそり高額買いして、金額以上に信頼が傷ついた
「趣味のものを相手に言わずに分割で買ってしまい、後からカード明細でバレてしまいました。金額よりも『相談してくれなかったことがショック』と言われて、本当に反省しました。」
話し合いをスムーズにする3つのコツ
1. 「家計会議の日」をあらかじめ決める
いきなり重い話を切り出すより、「○日の夜は夫婦の家計会議にしよっか」と宣言しておくと、お互い心の準備ができます。
お茶やお菓子を用意して、ちょっとしたイベントのような雰囲気にするのもおすすめです。
2. いきなり“正解”を決めようとしない
最初から完璧なルールを作る必要はありません。
「まずは半年このルールでやってみて、合わなかったら変えよう」
くらいの温度感にしておくと、話し合いのハードルが下がります。
3. 「責める」ではなく、「一緒に考えよう」のスタンスで
- 「なんで貯金してこなかったの?」ではなく
→「どうしたらこれから増やしていけそうかな?」 - 「そんな買い物するなんて信じられない」ではなく
→「その買い物で、どんなふうに暮らしが良くなるか教えてほしい」
お金の話は、過去を責めるより、未来の選択肢を一緒に増やすことにフォーカスすると、ケンカになりにくくなります。
結婚前お金のチェックリスト【二人で使えるシート】
話し合いのときに、この表を見ながらチェックしていくと整理しやすくなります。
| No. | テーマ | 話し合えた? | メモ(決めたこと・宿題) |
|---|---|---|---|
| ① | お互いの現在の貯金額 | □ はい □ まだ | |
| ② | 借金・ローンの有無 | □ はい □ まだ | |
| ③ | 固定費の一覧と支払う口座 | □ はい □ まだ | |
| ④ | 共通口座の有無とルール | □ はい □ まだ | |
| ⑤ | 結婚後の働き方の希望 | □ はい □ まだ | |
| ⑥ | 生活費の分担方法 | □ はい □ まだ | |
| ⑦ | 毎月・ボーナス時の貯金額 | □ はい □ まだ | |
| ⑧ | 現在の保険の棚卸し | □ はい □ まだ | |
| ⑨ | 税金・ふるさと納税の方針 | □ はい □ まだ | |
| ⑩ | 大きな出費の相談ライン | □ はい □ まだ |
まとめ|お金の話は「愛が冷めた証拠」じゃなくて、「これから」の準備
- 結婚前にお金の話をするのは、相手を疑っているからではなく、これからの生活を一緒に守るため。
- 完璧なルールを作るよりも、「話せる関係」を作ることがいちばん大切。
- 一度決めたルールも、ライフステージに合わせて何度でもアップデートしてOK。
今回の10項目をベースに、二人なりのルールや目標を、すこしずつ形にしていってくださいね。









